電動の原付という選択肢
ロードバイク乗りが横目で見て、という発想だったので、電動アシスト自転車界隈が気になっていたわけですが、どうやら調べてみると現段階でぼくのストライクゾーンには入ってこない模様。その理由は以下のようなものです。
- 現段階で電動アシスト自転車はぶっちゃけカッコ悪い
- VANMOOFはカッコいいけどオートマだから嫌い
- 電動アシストを得るだけにしてはコスト増が大きい
改めて考えてみるとVANMOOFは割とカッコいいし、価格も25万円なら、かっこ悪い電動アシスト自転車と同じか安いくらい。スマホで施錠・解錠できたり、盗難もGPSで追跡できたりとだんだん悪くないと思えてきました。
でもあのオートマはのギアチェンジ(Eシフター)だけはダメ。まったく感覚に合わなくて乗っていて楽しくないから。当面、乗物好きのぼくとして、VANMOOFを購入することはないな、と思っています。
じゃあ他に何かいいのないのかよ。いやまあ、別に無理して探す必要はないわけですが。でも引き続き、「電動バイク」「Eバイク」で検索をかけていくと、電動アシスト自転車ではなく、電動自転車がいくつか見つかります。
調べてみるとどうやらこれらのプロダクトは原動機付き自転車としてナンバーを登録して乗るものらしい。でも値段は電動アシスト自転車よりも安いものが多いようです。なんだか不思議ですね。
こんな状況になっているのは、日本の道路交通法が影響しています。要は自転車と原動機付き自転車の区分です。
「原動機付自転車」とは「二輪のもの及び内閣総理大臣が指定する三輪以上のものについては、総排気量0.050リットル以下又は定格出力0.60キロワット以下を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車(身体障害者用の車いす又は歩行補助車等を除く。)」
道路交通法第2条第1項第10号に基づく、同法施行規則第1条の2
「駆動補助機付自転車(電動アシスト自転車)」とは電動機(モーター)と人の力が独立したままでは作動せず、もっぱら人の力に対する補助力として作用するように設計されている「自転車」で、人力を加えた際に走行抵抗に応じて駆動補助力が加わるものであり、道路交通法上、軽車両(自転車)に該当。
道路交通法施行規則第1条の3
つまりカッコは似たような感じでも、モーター(原動機)の出力によっては原動機付き自転車に分類されてしまうわけですね。原付に分類されれば、ナンバーがついてより厳格に道路交通法の規制下に置かれ、保安部品、ヘルメットも不可欠になります。
その点で利用および購入のハードルは上がります。でも一方で原動機のパワーは上がるわけで、乗物としてはそれなりに面白いものになる可能性も否定できません。原付のエクストラコストは知れていますし、もしかすると利用シーンによってはこっちの方が面白いかも知れないな、なんて思い始めました。
電動の原付、結構楽しそうだ
調べ始めると結構選択肢も多い模様。日本製だと和歌山のベンチャー、grafitというブランドがまずは目に留まります。こちら、ヤマハ発動機が出資しているようで将来的にも面白いかも。
glafit | グラフィット
glafitは『日本を代表する次世代乗物メーカーになる!』ことを目指しています。
このグラフィット社が提供するモデルは2つ。キックボード風のLOMと折りたたみ式のGFRです。
【glafit】X-SCOOTER LOM
X-SCOOTER LOMは、相棒と出掛けるような気軽さと共にバイクを操る楽しさを感じてもらえるような新しい立ち乗りタイプのモビリティです。「Revolutionize the last mile」を掲げ、「楽しくスムーズ」な短距離移動を提供し、日本の「Last One Mile」問題に取り組んでいきたいと思って...
glafitバイク GFR-01 【利用シーン編】
glafitバイクは、「人々の移動をもっと便利で、快適で、楽しいものにする」というビジョンのもとつくられたハイブリッドバイクです。ペダルを活用することで、自転車、バイク、両者を掛け合わせたアシスト走行と、1台で3台分の用途を果たす次世代型の乗り物です。 公式サイト https://glafit.com/ 公式オン...
いずれもクラウドファンディングをベースに販売している模様です。GFRは152,680 円(税込み)です。LOMはわからないけれど、もう少し安いかも。電動アシスト自転車の値段を考えると結構安く感じません?しかもガソリンで走る原付よりも結構安い。スーパーカブだって乗り出し30万円が相場ですからね。
他にも選択肢はあります。Cyrusherは中華ブランドですが、なかなか魅力的です。結構多くのEバイクをラインナップしていますが、上記のglafitのGFRと競合すると思われるのはこれ、XF590です。でもこちらは出力が500W。glafitのGFRの倍の出力(トルク)が得られるのはいいですね。
Cyrusher XF590 折りたたみ アシスト自転車 20インチ 500W 48V 10AH
普通の自転車とは違い、漕ぐ力をアシストするモーター、そしてモーターを動かすためのバッテリー、その他の電気線やコントローラーがついています。バッテリーは専用の充電器をあらかじめ4~6時間程度充電してから自転車に取り付けて運転をする必要があります。 1 漕ぐ力を軽減 ...
見てわかる通り、フロントとリアにサスペンションが装着されています。乗り心地は良さそうですね。何しろ500Wの出力は相当パワフルだと思います。結構いいかも。
セグウェイっぽい商品を提供しているKINTONEも似たようなプロダクトをリリースしています。こちらはクラファンのCAMPFIREで買えたようですが、現在はクローズしているみたい。
Kintone X:【公道走行可能】ワイルド&コンパクトな完全電動折り畳み自転車
Kintone Xは、電動モビリティー分野の日本トップブランドKintoneが送り出す、 完全電動かつ公道走行可能 な折りたたみ自転車です。 誰もが振り返って見てしまうワイルド外観 を装いながらも、コンパクトに折りたたみ収納可能。 完全電動で駆動し、時速30kmで街中もアウトドアも走行できる...エコな乗り物。 それがKintone Xです。 ...
見た目は上記のglafit GFRやCyrusherのX590とよく似てます。出力が500Wだからglafit GFRよりはパワフルですね。個人的に同じ原付カテゴリーで乗るんだったら、出力は500Wを選ぶかな。だとすると、CyrusherかKINTONEですね。KINTONEは今はクラファンでしか買えないみたいなので、Cyrusherが最右翼という感じです。
なんかヤバそうなメーカー見つけた
そうこうしているうちに面白そうなメーカーを見つけました。愛知県のおそらくEVベンチャーだと思われるBLAZEというメーカーです。
BLAZE PORTAL SITE
ブレイズはワクワクする世界を EVでかなえるカンパニーです。 2002年設立以来、約20年自動車業界で事業展開をし、その知識・技術・アイディアを最大限に生かした様々な商品展開を行ってきました。 車両本体の何百回もの安全検査・EVならではの電気用品安全法(PSE)の検査もしっかり行い、お客様が望む最高の1台をお届けすることを大切にしています。 ...
商品ラインナップを見ると実に楽しそう。立ち乗りメインの小型スクーターはもちろん、トライクもある。さらに電動のジープみたいなミニカーもある。安全性はちょっと不安だけど、これは遊び道具としては最高の部類じゃないのかしら。
このポストのコンテクストとしては、立ち乗りスクーター推しであるべきなんでしょうけど、この会社のプロダクトラインナップを見ると、トライクと小型ジープがかなり気になります。何しろ値段が安い。
立ちのりスクーターは136,000円。ヘルメット無しで乗れる(実際にはヘルメット推奨ですが)トライクは188,000円。さらに電動の小さいジープ、NEXT CRUISER EVは488,000円です。何これ、めっちゃ安くない?
NEXT CRUISERはガソリン版もあって、そっちは税別だけど、398,000 円。ミニカー扱いなので車検もないらしい。まあ、実際には車検がなくても怖いから整備派だけどマル必だけど。
電動モビリティ市場はヤバい
そんなこんなで色々見てきたわけですが、電動モビリティ市場は、訳のわからないベンチャーがリードして、妙にホットです。まあ、本来は大手の自動車メーカーや二輪車メーカーがもっと真剣に取り組むべきなのでしょうが、現在のテクノロジーで市場を作っているのも彼らなわけで、あまり代替需要を生み出すことには積極的じゃないのかも知れません。
だからと言ってはなんですが、訳のわからないベンチャーが頑張ってますよね。おそらくプロダクトのレベルはそう高くないのでしょうが、なんだか応援したくなってしまいます。サイトを見て商品をなんとなくぼんやり見比べて見た程度ですが、中華製のEバイクメーカーCyrusherと、愛知の謎のビルダー、BLAZEが面白そうだなと思います。
スポーツバイクブランド、モーターサイクルブランドがこの領域にどう絡んでくるのか、楽しみですねー。その一方で、ガソリンエンジンを使った原付もまた魅力的であることは間違いないです。ぼくも今は新奇性に惹かれてEバイクを調べていますが、実際に乗り物としては内燃機関の方が魅力的である、という結論に至るかもしれません。やっぱりスーパーカブだよな、みたいに。
ぼくもなんとなく原付か原付二種を1台欲しいなと思っています。それがEVになるのか、はたまた普通のガソリンエンジンになるのか、現段階ではわかりません。でも一つ言えることは、
乗り物選びは楽しい
ということかな。