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小宇宙としての自動車。ポルシェ911カレラの魅力。

ぼくは所謂スーパーカー世代であり、
自動車はある種の憧れ、いまでも無くてはならないものと考えています。
過去十数台のクルマを乗り継いできて、
いま濃厚な記憶を残しているのはやはりポルシェです。

購入したのは2008年でしたが、注文したのは2007年。
リーマンショック前だったので、ディーラーは超強気でした。
ぼくはマニュアルシフトを発注したので値引きほぼゼロ。
ディーラーに顔を出したのは2006年と記憶していますが、
あまり相手にしてもらえず、2007年の発注まで約1年。

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ポルシェはそのクルマの製造年月日を顧客に教えてくれます。
いわば自分の愛車の誕生日が明確になるのです。
ぼくの発注したポルシェ911カレラ(タイプ997)は
2008年の2月11日にドイツで生産され、4月21日に納車されました。

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ポルシェの魅力は極めて多岐に亘りますが一言で集約すれば「精密さ」と思います。
いまや自動車もパソコンと同じで、各種のモジュールを組み合わせれば
それなりの形になるところまで来ています。
しかしポルシェは多くのモジュールを自社で製造しているのは無論、
その内部構造は複雑で細かな部品までも自社で開発し、
それをキッチリとくみ上げてクルマを作っている数少ないメーカーです。

そのことはクルマのエンジンをかけて走り出せばすぐに分かります。
エンジンの音がして、排気音がして、タイヤの音がして、風切り音がする。
これが普通のクルマの感覚なのですが、
ポルシェの場合、エンジンの音が極めて複雑、様々なパーツの駆動音が
しっかりと聞こえてくるのです。
このことによって多くの部品やパーツが正確に動き、
その機能を果たすことによって極めて高い性能を実現している、
ということが明確に伝わってくるのです。
それは無数の星から成る小宇宙と言ってもよいのと思うのですね。

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こうした粒度の低さ、解像度の高さ、精密性、
そして秩序調和という世界観を持つ自動車メーカーはポルシェしか想起できません。
ほかの分野に目を向ければ機械式時計などもそうかも知れません。

ぼくは現在このポルシェを手放してしまい、BMWに乗っていますが、
こちらはクルマの性能は高くともやはりポルシェとは違います。
官能性(気持ちよさ)、快適さ、正確さがキーワードでしょうか。
いまでもときどきあの小宇宙に戻りたいと思ってしまいます。

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