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マーケティングは買い方の知識体系へ。商品お薦め人が新時代のマーケターだ。

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ぼくがしていた仕事

ぼくは広告代理店でマーケティングプランニングの仕事をしていました。
それ自体は楽しい仕事でしたが、11年で会社を辞めました。
なぜなら「ここでの仕事はなにかが違うぞ」という直観があったから。
ぼくが考えることやこれがいいなと思うアイデアは、
広告代理店ではあまり中心的なものではなかったようです。

これまで商品やサービスを企画したり製造したりするのは企業の仕事でした。
そしてそれらを広告という手段を使って一般の人たちに知らせていく。
それが広告代理店の仕事でした。
この一連の仕事をマーケティング&コミュニケーション(プランニング)と
ぼくがいた業界では呼んでいました。
職業としては、マーケターとかプランナーとか、
広告クリエイターとかそんな感じの人たちです。
ぼくも昔はその中の一人でした。

上手にたくさん「売る」ことが価値のある仕事でした。
ぼくはそれに違和感を持っていました。
不要なものでも「売らなくてはならない」ことに。
企業にとって重要な商品であることはわかります。
でも歯磨き粉は何百種類も要らないし、
それを無理やり企画するのは苦痛でしかありませんでした。

思うに日本は文字通りOvershootしています。
パンデミックで初めて聞いた人も多い言葉だと思いますが、
環境経済学などの分野では頻繁に登場する言葉です。
簡単に言えば「行き過ぎ」という意味です。
つまり要らない商品を作りすぎということです。

そしてそれに不必要な広告キャンペーンが付いてきます。
広告しないと売れないような商品は広告を止めると売れなくなります。
当り前ですよね。

ぼくは広告代理店に居ながらにして、
すべての広告主が広告を止めたらどうなるのかな、
などと考える人間でした。

そうしたらよい商品だけが売れていくのではないかと。

優れた商品は必ず見出される

天才は必ず見出される。

ぼくはそう思っています。それは社会が天才を必要とするから。
同じ理屈で、優れた商品も見出されると思うのです。
だから広告は要らないと
同じような視点の人に、オリビエーロ・トスカーニがいます。
ベネトンのクリエイティブ・ディレクターだった人。
興味のある方は以下の本を読んでみてはいかがでしょう。

↓下の画像がアマゾンへのリンクになっています。

ぼくは広告代理店では少し先を行き過ぎていたと思います。
ちょっと鼻につくかな。(笑)
でもようやくぼくの感覚に時代が追い付いてきた。
そう思うことをお許しください。

この数か月で世界は一変しました。
世界は、資本主義経済を止めてみる、という壮大な実験をしたのです。
結果、予想外のことが多々起こっています。
その一つは広告的なものの価値が限りなく低下したことでしょう。

STAY HOMEの最中、地上波テレビを見ていた人は
どれくらいいたのか知りたいなと思います。
多くの人はサブスクリプション型のNetflixやhuluなど、
あるいはYouTubeを大画面テレビに映し出していたのではないでしょうか。

これも実数はわかりませんが視聴だけでなく、YouTubeで発信を行う人も
この期間に爆発的に増えたのではないかと思います。
おそらくインスタグラムの登録者数、MAU当たりの投稿数なども、
直近3ヶ月くらいで増加傾向を示していると思います。
データをもとに分析と戦略企画を行うことを仕事としている
ぼくが言うのですからおそらくそうでしょう。

世界は一気に変わる

世界は一気に変わる。

ぼくが30代の頃に夢想した「広告の無い世界」に近い世界が
いま目の前に現れているのです。

広告の無い世界でどうやって人々は優れた商品を見出すか。

先述の通り優れた商品は放っておいても見出されますが、
それを加速するのは人による「おススメ」でしょう。
特定商品分野へのこだわりが強く、実体験が濃く、
そして商品レビューをわかりやすく伝えられる人が
商品の普及を促していくものと思います。
情報伝達のプラットフォームはSNSが担うことになるでしょう。
あるいはそうした性格の強いSNSが残っていくでしょう。
具体的にはインスタグラムやYouTubeです。
Facebookは徐々にアクティブではなくなっていくでしょう。

広告代理店などで広告を企画して「売る」ことを支援してきた人たちは
もはやマーケターとは呼ばれないでしょう。
むしろ以下のような人が新時代のマーケターです。

好きな分野の好きな商品について詳しく説明できて、
どの商品をどう「買う」べきかを伝える人がマーケターである。

これからの時代、マーケティングの意味は以下のように変わります。

マーケティングは「売り方」の技術体系ではなく、
「買い方」の知識体系である。

商品に愛を。
よりよい買い方を。
好きなものに囲まれた暮らしを。
その先にある生活の質を。

これを見通して、よい生活を彩るモノゴトを
しっかりと見据えていくのがぼくの仕事だと自覚しています。

みんなで好きなモノゴトについて、
存分に語っていきましょうね。

そんな「買い方」「おススメ」をインスタグラムで展開し始めました。

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