少し前「旅」はもっとロマンだった
このブログメディアは「日常を非日常に変えていく」ためのTIPSを探していくことがテーマです。ありふれた日常を、かけがえのない一瞬に変えていこうと思うのです。まさに旅の数日のように。異国の地や遠い場所にいるとき、ぼくたちは普段よりもその瞬間瞬間を楽しんでいるように思います。そんな感覚で、普通の日を過ごせれば、とぼくは切に思うのです。
そしてそのためにいろいろなモノゴトを探し出し、実践していこうと思います。その筆頭が、モーターバイクやロードバイクだと思っています。何度も引用しますが、BMW Motorradのメッセージである、
Make Life a Ride
人生を、旅するように生きる。
は、本当にいいコンセプトだと思うな。ぼくは旅するように人生を生きていきたい。そのために、モーターバイクやロードバイクに乗り続けていきたいのです。
旅。
旅か。大人になってからの旅といえば、綺麗なホテル、芳醇なアロマ、美味しい食事やワイン、素敵な温泉、誰もいないビーチ。そんな言葉が思い起こされます。
最近の旅は非日常ではなく、豪華な日常になっていなかっただろうか。
そういえば、若い頃は「旅」という言葉にもっとロマンを感じていたように思います。若者は持てあました時間を旅に使うべき、北海道を一周する、世界を放浪する、そんな価値観がまだ社会全体に残っていたように思います。
たとえばこれ。
俺たちの旅 ただお前がいい 中村雅俊
俺たちの旅#14より
学生の日常はこんな感じで「旅」に喩えられていたのですよね、昭和の時代。しかし、この時代のドラマ主題歌はだいたい短調なのがいいな。暗い感じの中に濃厚な幸福感があったような気がします。
そして当時の若者の必読書のひとつだったのはこれ。沢木耕太郎の『深夜特急』シリーズでしょう。
世界各地を放浪することへの憧れはこんな本が支えてくれていました。
池澤夏樹が捉える旅のロマン
日常を旅に変える。日常を、まるで非日常や旅の日々を慈しむように暮らす。そんなことを考え始めていたら、ふと昔読んだ池澤夏樹の本が思い起こされました。写真と抱き合わせになったショートストーリーで構成された本。あれは確か「旅」をテーマにしていたのではなかったかな。
オフィスの書架をひっくり返したら、やはり出てきました。これです。
↓の表紙写真はAmazonへのリンクになっています。
主人公は男性。旅人。
これから恋人を残して旅に出る。
きっとこの星のいろいろな場所に行く。
それくらい大規模で長い旅。
そこでいろいろなモノゴトを見る。
そしてそれを恋人に報告する。
主人公と恋人との往復書簡。
そんな構成になっている本です。うまく言えませんが、自分のためだけの旅ではなく、旅で見聞したことを恋人や大切な人に伝えたい、という動機があることはとても素敵なことだと思うのです。
綺麗な景色を見た感動を、伝えたい人がいるからこそ、ぼくたちは旅に出るのかも知れません。旅先で写真やムービーを撮るのも、もちろん自分で振り返るためもありますが、誰かわからないけれど、誰かに旅の感動を伝えたいから、ぼくたちはセッセと記録しているのかもしれません。
ぼくは旅に出て、見た聞いた感じたことを誰かに伝える
ロードバイクに乗るのも小さな旅。都会の真ん中を抜けて50キロを走るのは小さな冒険とも言えます。少なからず危険を伴う、ロードバイクやモーターバイクでの移動は一定の「冒険」的要素を含んでいるとぼくは思うのです。つまり、ロードバイクは小さな冒険のためのツールです。モーターバイクだとその冒険の規模がかなり大きくなるのだと思うのです。
ロードバイクに乗れば、あるいはスーパーカブを手に入れれば、それだけで冒険ができるんです。先日紹介したこの『スーパーカブ』の主人公、小熊のように。小さな冒険をしているとき、きっと誰でもこんな顔をしているのだと思います。
ぼくはこれからの人生、ロードバイクやモーターバイクで小さな冒険をたくさんしたい。そうした冒険で見たこと、聞いたこと、感じたことを誰かに伝えていこうと思います。伝え方は最初は拙いかも知れない。でも根気よく、続けていくつもりです。それがこのpolyphonyというぼくのブログメディアの役割ではないかと思うから。もちろん、ぼくにも旅の感動を伝えたい人がいます。
ねえ、東京ゲートブリッジはすごく気持ちよかったよ
若洲公園の横を走るのはとっても気持ちがいいんだよ
こどもが今日あったことを母親に喋るように、ぼくは旅の感動を、毎週末お家で話しているのかもしれません。彼女にそれが伝わっているかわかりませんが。(笑)